5ステップ公開:第二言語習得研究からみた効率的な外国語の学び方=「忙しい大人ほど有利」
「今まのやり方で英語を学び直しても話せるようにはならない」
「教科書はできる限り開けないぐらいがよい」
「初期段階では書く練習は必要ない」
“Drop your pen, turn on audio and activate the brain”
文字中心から音声中心の学習に切り替えるのが大切
英語学習に関する書籍から英語の達人たちが編み出した勉強方法などがあちこちあふれかえっています。
しかし、それらの多くは元々語学を学ぶ能力が高い人が大変な努力と根気でトライアル・アンド・エラーを重ねて行った勉強方法です。とても個人的なものですので、一般的な学習者にとって必ずふさわしいとは言えません。
市販の「英語を〇〇週間でマスター」のようなものは、売ることが目的なのは明らかで、四技能を身につけるのに不十分です。
英語をやり直そうと考えている人なら、どうやればよいの悩まれているはずです。
今回のブログでは、外国語の習得過程や方法論を科学的に研究する「第二言語習得」や海外の一流大学で採用されている方法を参考にした外国語の学習方法5ステップを解説します。
まず最初に「今までのやり方で英語を学び直しても話せるようにはならない」ということを理解する必要があります。
これまでの日本の教育や英会話学校、ネット英会話などで成果が出ていないのをみれば、同じような方法論をとっても二の舞になるだけということは自明です。
具体的に言いますと、次の手順で学習を進めれば、基本的な外国語の運用能力を身に着けることができます。
(1)適切な教材を選ぶ:
会話文、語彙、文法説明が詳しいもの。音声データ必須。文法項目で分けたものでなく、シチュエーション(言語機能)を基に構成してあるもの。語彙の意味が載っていないものは避ける。辞書を引くのは時間がかかりすぎて効率が悪い。
(2)音声教材が学習の中心:
会話を繰り返し聴いて発音を真似する(英語のリズムをつかむ)。リスニングは聴くことに専念する。教科書を開けて目で追いながら聴かない。語彙も同じようにリスニングと発音の真似(いわゆるシャドーイング)で練習数する。
(3-1)リスニングで分からなかった部分の意味を教科書で確認。
この時点で教科書を初めて開けるぐらいでよい。単語を覚えるためにペンでノートに書き込むことはしない。あくまでも音声(発音、リズム)の習得に集中する。
(3-2)単語の意味を確認してもセンテンスの意味・使い方が分からない時は文法解説を読む。フレーズやセンテンスの意味に加えて、構造、機能を理解する。どういうときに使うかというコンテクスト(文脈)=社会言語学的側面(語用論)も含めて理解するのがポイント。(日本の教育ではごっそり抜け落ちている)
(4)再び音声教材を再生し、フレーズ~センテンス~パラグラフレベルの発音練習(シャドーイング含む)。
ステップ2でも発音練習をしますが、新しい内容なので最初から全部声帯模写するのは難しいはず。ステップ3で単語、文の意味や構造を理解した上で、さらにセンテンス・パラグラフのかたまりで発音の練習をします。無機質にやるのではなく状況をイメージして臨場感を高めます。発話者になりきって下さい。
(5)ステップ1~5で身に着けたスキルを、実際の場面で使う練習をする。
日本で外国語を学ぶ場合は、そういうチャンスは稀なので、オンライン英会話などが有効です。外国人のチューターを手配できるなら、ステップ1の会話練習をやったり、同じテーマでについて会話の練習(派生=応用練習)をしましょう。
まとめ
(1)適切な教材を選ぶ
(2)音声教材が学習の中心
(3-1)リスニングで分からなかった部分の意味を教科書で確認
(3-2)単語の意味を確認してもセンテンスの意味や使い方が分からない時は文法解説を読む。
(4)再び音声教材を再生し、フレーズ~センテンス~パラグラフレベルの発音練習(シャドーイング)。
(5)ステップ1~5で身に着けたスキルを、実際の場面で使う練習をする。
いかがでしたか?
今回紹介した方法は、基本的な能力を習得するための具体的なアプローチです。
音声を中心にリスニングとスピーキング能力をまず固めることで、後のリーディング、ライティングスキルの習得を加速度的に進めることができるようになります。
質問等ありましたら、コメント欄にお願いします。(了)